男の子にモノを売るためのマーケティングについて enchantMOONを予約した私が考えること
最先端を愛してやまないファミっ子の噂の的。
次世代マイコン、「enchantMOON」。キミはもう予約した?
ボクはファーストロットを予約したよ!
いやー、ホントに楽しみですね!
この得体が知れないのに、欲しくなっちゃった感じ。人生の中でもそうそうあるもんじゃないです。80年代なら、それこそポケコンとか、ポータブル液晶テレビとか、カセットケースより小さいウォークマンとか、ゲームボーイとか、アタリジャガーとか、刺激と驚きに満ちた新商品がドカドカ生まれてたんですけど。
21世紀も10年を過ぎて、このワクワク感。恋は遠い日の花火ではないって誰かが言ってたけど、不惑を迎えて今あらためてそう思います、お母さん。
・・・興奮のあまり文章が乱れてしまいました。
私は田舎住まいなので仕事サボってUst見たんですが、プレゼンはグダグダだったし、ロクに動かない状態だったけど、私の中の何かが「買い!」を指示して予約ページに行っても、エラー出まくりこれまたズッコケまして。
結局夕方6時過ぎに予約できました。
いきなり5,000台も予約集まっちゃったわけですが、冷静に考えてみますとこれはスゴイことです。
なにせ、今まで男の子マーケティングは「スペック、スペック、スペック」だと思っていた私ですが、正直「enchantMOON」はスペック的にはしょぼいですもんね。
しかも、キモである書き味だって、体験できたのは恐らく数百人レベルです。9割以上の方は触ってもない、スペックもしょぼい、しかも何に使うか(使えるか)分からないモノに、4万円をポーンと払ってしまうのですから。私も含めて。
では、皆さん何にお金を払ったのか?
それは、「得体が知れないが故に起こる期待感のインフレ」です。
つまり、「機械では、納得したことのない」、けれど「紙で日常的に体験して想像できる」、『書き味』という価値を「本当に実現しているか分からない」から「いち早くそれを確かめてやろうという男性特有のギャンブラー精神」が後押ししているのだと推測されます。
加えて、ルックスも含めたギーク好みな世界観と、プログラミング出来るという征服心をくすぐる仕様。これらは「頼んだら、やらせてくれそう」な壇蜜に近い魅力がありますね。
余談になりますが、少年誌の懸賞は「抽選」が殆どなのですが、少女誌は「全プレ」が基本です。男性はギャンブルを好み、女性は果実は少なくても確実さを選ぶという性差が見て取れる例です。このことからも、今回の予約の殆どは男性からのものだと考えていいと思います。
しかしながら、5,000台予約を集められた要因の半分以上は「値段」ではないかと思います。
いわゆる、マーケティング用語で言うところの「アンカリング」を何度かのブログ記事で用意周到に行なっている形跡があちらこちらに見て取れます。
「enchantMOON」に興味を持って情報を集めている方々に「10万?、7万?」とかの情報を小出しに与えることで、勝手に「高いんだろうな」という意識づけが出来上がっているのです。
そこに、ズキューンと「39,800円」というマジックプライスをぶつけてきた!
価格の記事でshi3z氏が、「お小遣い制の方でも」と述べていましたので、これ結構な確率で確信犯じゃないかと睨んでおります。
これと逆な例で炎上したのが、PS3の最初の価格発表だったでしょうか?
大方の予想「39,800円~49,800円」をあざ笑うかのような「7万ショック!」。
結局、発売までに値下げを余儀なくされ、立ち上がりも苦戦したのは皆様の記憶に新しいところだと思います。
PS4では、その轍を踏まないようで何よりですが、XBOXの新型に後出しジャンケンされる可能性は高いです、MSはそれできる体力がありますから。
かように、価格というのはとても大切な要素です。
でも、この価格には素直に感謝と敬意をお伝えしたいと思います。お陰で私にも買えましたから。
以上、マーケティング従事者の立場から勝手な分析をさせて頂きました。
【まとめ】
21世紀になって、こんなにスゴイと思えるものを作ったshi3z氏はマジでスゴイ!
狙い通りにまんまと予約しました。
男性は処女性を好む。だからファーストロットは即完売。
なんだかんだ言って、ビックリ価格だからこそ売れた。